近年、多様化する社会の中で、心の健康の問題もまた複雑になり、心理的な支援が強く求められるようになっています。
私たち心理職は、医療・福祉・教育などのさまざまな分野で、他の専門職や関係者と連携・協働しながら人々の支援にあたってきました。
また、独立した相談室やカウンセリングルームなどを開設している心理職もあります。
心理職の職場は多岐にわたっており、心理職の職能の基礎となる学問分野も幅広いものです。
2015年に成立した公認心理師法は、数十年以上にわたって多様性をもちながら発展してきた心理職に対し、国家資格という法的基盤を整備し、その職能を国民の心の健康に役立てようとしています。
2018年には同法に基づき第1回公認心理師試験が行われました。そして、2019年春には登録された公認心理師が誕生します。
私たち心理職は、今まさに新しい時代の出発点に立っていると言うことができるでしょう。
その変化の時代に、すでに心理職として働いている私たち一人一人は、この仕事をどのように続けていけばよいでしょう。
そして、これから心理職になろうという人たちに、何をどうつなげていけばよいのでしょうか。
個人としての心理職は、経済的・社会的な立場も決して堅固であるとは言えず、また、お互いの働き方や課題を必ずしもよく知っているわけではありません。
特に、昨年の公認心理師試験の受験資格をめぐって起きた困難を通して、心理職がお互いを支え合うネットワークの必要性を感じるようになりました。
そして有志が集まって設立したのが「心理職支援ネットワーク」です。
当会は、職能団体や学術団体としての活動を目指すものではありません。
公認心理師の受験資格問題に見られるような、個々の心理職に生じる困難について、声を拾い上げ、情報を収集・解析し、記録を残し、必要な連携や検証、さらには社会への発信を行っていきたいと考えています。
そのために他の職種の方や関係者のみなさまからの協力を集めていきたいと思っています。
仲間や協力者が集まって、一人一人の心理職を支援していくことが当会の目的です。
この趣旨に賛同してくださる心理職の仲間のみなさま、他領域の専門職や心理職に関心を持ってくださるみなさま、ぜひ当会の活動にご協力いただきますようお願い申し上げます。
2019年2月1日 心理職支援ネットワーク 代表 今井たよか
発起人
今井たよか
岩倉拓
松森基子
植山起佐子
東健太郎
検証委員
朝枝清子(精神科医)
安西敦(弁護士・臨床心理士)
徳山喜雄(大学教授・ジャーナリスト)
戸舘圭之(弁護士)
浜田薫(弁護士)
三嶋健(弁護士)